長期的な視点で考えると、期間短縮型も返済額軽減型も、その効果に違いはありません。
手元に資金の余裕がある人は、現時点での総返済額が減らせる期間短縮型を選んだ方がいいでしょう。
期間短縮型、返済額軽減型とは
繰り上げ返済を行うときに、期間短縮型か返済額軽減型かを選ぶ必要があります。
期間短縮型とは、毎月の返済額を変えずに、返済期間を短くする方法です。
返済期間が短くなり、短くなった期間の利息を払う必要がなくなります。
その結果、総返済額は少なくなります。
返済額軽減型とは、返済期間を変えずに、毎月の返済額を減らす方法です。
毎月の返済額が減り、手元に入ってくるお金が増えます。
総返済額は、繰り上げ返済前より減りますが、期間短縮型に比べ、多くなります。
長期的な効果は、期間短縮型と返済額軽減型も同じ
長期的な視点で考えると、期間短縮型も返済軽減型も、その効果は変わりません。
例をあげて考えてみます。
ローン1,000万円、返済期間10年、金利2%の住宅ローンを返済していくとします。
元利均等返済で返すと、毎月返済額は92,013円、総返済額は11,041,557円(利息分1,041,557円)になります。
200万円をすぐに繰り上げ返済するとします。
期間短縮型ですと、返済期間は7年11か月になり、2年1か月短くなります。
利息金額は653,553円になり、388,004円少なくなります。
200万円を2%の毎月複利で7年11か月運用した場合の利息金額(342,750円)相当です。
返済額軽減型ですと、毎月の返済額は73,471円になり、18,542円減ります。
利息金額は835,003円になり、206,554円少なくなります。
200万円を2%の毎月複利で運用するとともに、10年間で取り崩した場合の毎月の受取額(約1.8万円)相当です。
200万円を使わずに運用して、一括返済するか。
200万円を運用するとともに、取り崩して返済していくか。
200万円の運用方法の違いに過ぎず、長期的な視点で考えると、その効果は変わりません。
期間短縮型を選択すべき理由
手元に資金の余裕がある人は、期間短縮型を選んだ方がいいでしょう。
現時点での総返済額を減らすことができるからです。先ほどの例ですと、当初総返済額11,041,557円が、繰り上げ返済により期間短縮型ですと8,653,553円、返済軽減型ですと8, 835,003円なります。約20万円の差がでてきます。
期間短縮型ですと返済期間が7年11か月になり、2年1か月返済期間を短くなることによって、精神的な余裕も出てきます。
繰り上げ返済を行う都度、期間短縮型、返済軽減型どちらにするか、ご自身の資産状況を考えて、選ぶといいと思います。