【現役国税調査官が語る!】国税専門官の仕事内容

【現役国税調査官が語る!】国税専門官の仕事内容 国税調査官

国税専門官の仕事のほとんどは、税務署や国税局での調査事務と徴収事務です。

個人課税、法人課税、資産課税部門で調査事務に従事し、中には、滞納した納税者の納税相談や財産の差押え等の徴収事務を行う人もいます。

【国税専門官の仕事内容①】ほとんどは調査事務

国税専門官のほとんどは税務署や国税局で税務調査をしています。

国税専門官は採用されると、個人課税、法人課税、資産課税、徴収、管理運営の事務系統に分かれて働きます。
途中、総務、人事などの事務を行うこともありますが、基本的には、退職するまでその事務系統で働くことになります。
横断的に幅広く事務を行うことはありません。

希望する事務系統で働けないこともあります。
希望する事務系統で働くためには、説得力のある理由を考えておくことが大切です。
私は大学院で法人税を学び、それを法人課税の実務に生かしたいという理由でしたので、法人課税部門に配属させてもらいました。

課税部門では以下の税目の調査します。

  • 個人課税部門では所得税とそれに付随して消費税
  • 法人課税部門では法人税とそれに付随して消費税、源泉所得税
  • 資産課税部門では相続税、贈与税、譲渡所得税

平成30事務年度の調査件数は以下のとおりです。

  • 個人課税部門では所得税74千件、消費税38千件
  • 法人課税部門では法人税99千件、消費税95千件、源泉所得税116千件
  • 資産課税部門では相続税12千件、贈与税4千件、譲渡所得税21千件

個人課税部門では、年が明けると確定申告の相談事務で調査ができない時期もあり、法人課税部門に比べると調査件数が少なくなっています。
個人の確定申告のノウハウを得るには、個人課税部門への配属を希望すべきです。

準備調査に始まって、調査で指摘した事項に基づき決議書を作成し、上司に決裁をもらい、調査が終わります。

調査の計画件数は職員数によって決められていますが、普通に調査をしていれば、計画件数は達成します。
事績が大きくなりそうな調査事案があると、それなりに日数をかける必要があるので、部門の他の人が追加で件数をこなして、カバーしてくれます。

ちまたでは、税務署の調査官には調査事績にノルマがあって大変であり、激務とかいう噂がありますが、全く違います。

民間企業では予算計画に基づき、売上の達成を目標とすることがあります。営利を追求する上で必要なことです。
調査の計画件数は普通に調査をしていればこなせるので、ノルマはあってないようなものです。
増差所得等の事績は、前年対比されるものの、ノルマはありません。

【国税専門官の仕事内容②】中には、財産の差押え等の徴収、管理運営事務

徴収部門では、納付相談を行うとともに、滞納した納税者に督促し、財産の差押え等を行います。
徴収部門では民法の知識が必要になってきます。

本当に払えない人ならまだしも、わざと払おうとしない悪質な人も中にはいます。

調査で課税したとしても、納付できず、滞納するような事案はあまり喜ばれません。
不正をしている調査事案については、署長室で重要審議事案検討会と呼ばれる検討会が行われます。
調査事案の内容を紹介するとともに、担当者としてこの方向で課税するお伺いをたてるような会です。
その際、最後に必ず、即納か、分割納付か、納付困難かを聞かれます。

私は正直、徴収部門では働きたくないと思っていましたが、同期からは意外と人気がありました。
調査は拒否すると罰則があり、間接的には強制力がありますが、あくまでも任意です。しかし、財産の差押えは強制執行という強い力をもちます。
研修のときに徴収事務系統の教授が話す財産の差押えの経験談が面白かったこともあると思います。

管理運営部門では、提出された申告書、届出書などをシステムに入力したり、窓口などで納税者の対応にあたったりします。
管理運営部門では内部事務が主であり、子供が幼く、定時で帰りたいような人は管理運営部門への配属を考えてもいいかもしれません。

【国税専門官の仕事内容③】少ないが、管理セクションで報告事務等

国税局には各部課に管理セクションがあります。

管理セクションでは、各部課をとりまとめ、報告事務等で国税庁との窓口の役割を果たすため、調査事務や徴収事務を行っている職員よりは忙しいです。
法人課税課等、主務課(税目の名前がつくような課)は税務署を含めてとりまとめる必要があり、国税庁とのパイプ役をになうため、残業時間も多くなります

管理セクションの職員はそんなに多くはありませんが、国税専門官も働いています。
管理セクションでキャリアをつめば、それなりのポストにつくことができるので、出世をしたい人は希望してもいいかもしれません。

その他にも、国税局ではシステムを扱う事務管理課、総務課等で働いている人がいます。


■編集後記

冒頭の写真は、最近はまっている、ソーダ―ストリムで作った炭酸水のハイボールです。
冷やしたウィスキーのとろみと、きめ細やかな炭酸がマッチし、何とも言えない美味しさを奏でてくれます。

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