不動産投資の物件選びは、立地・エリアと建物に分けて、考えていきます。
ワンルームマンションの立地・エリアを考える上で大切なことは、単身者は利便性を求めて賃貸するというのを意識しておくことです。
立地・エリア
東京都

東京は、平成9年以降、転入者数が転出者数を上回り、転入超過の状態が続いています。特に、平成12~31年は、毎年4万人を超えて、東京に人が集まってきました。
昨年、コロナの影響で、東京23区では、転入超過から転出超過に変わったというニュースが話題になりました。
ファミリー世帯が地方に移っているためです。

ただ、若い世代では、今もなお転入超過の状態が続いています。若い人たちは、高校や大学を卒業して、働くために東京に出てきています。
日本の大企業、店舗は、東京に集まっており、東京一極集中が変わらない限り、この流れは変わりません。
リモートワークが増えたとしても、企業が東京にある限り、若い人たちが東京に集まらないとは考えにくいです。
駅徒歩10分
東京のワンルームマンションを考えると、駅から徒歩10分以内は必要な条件です。できれば5分以内で、他の物件との差別化を図りたいところです。
東京23区は、鉄道路線が網の目のように張り巡らされているので、駅から徒歩10分を超えてしまうと、利便性が低くなります。
不動産賃貸サイトでは、駅からの徒歩の分数を条件として入力します。1桁なら歩ける許容範囲として、多くの方が10分にチェックをいれます。
新宿駅、渋谷駅、池袋駅、東京駅等は、電車が終着する“ターミナル駅”で、ターミナル駅にある物件は人気ですが、価格が高くなります。
狙い目は、ターミナル駅から電車で2,3駅先に行った駅から徒歩10分以内のワンルームマンションです。
スーパー、コンビニが近い
日常的に食料品を買う必要があるので、スーパーが近くにあるか否かをチェックします。
スーパーまで徒歩20分もかかる物件だとしたら、単身者であるあなたは住みたいと思いますか?私ならパスします。
駅の近くにはスーパーがあることが多いので、駅から徒歩圏内であれば、この条件は満たされます。
コンビニが近くにあれば、若い人が借りる上で、プラスの条件になります。
何か急に必要になった時には、スーパーに行くまでもなく、コンビニが利用できると便利です。
建物
ワンルームマンション
区分マンションでワンルームを選ぶのは、日本の人口が減少しているにもかかわらず、単身者が増加しているからです。
総務省の「平成30年版 情報通信白書」によると、単身世帯の割合は、2018年の約35%から、2040年には約40%まで増えると予測しています。
現在の全世帯数は約5,000世帯ですので、変わらない前提ですと、単身世帯は約250万世帯増えることになります。
ワンルームマンションは自治体によりこれ以上、建築しないように規制がかけらています。単身世帯や若者が増えると、ファミリー世帯に比べて、隣人との人間関係が希薄になったり、街の規律が乱れたりする傾向にあるからです。
ワンルームマンションは需要面だけでなく、供給面からも、必要とされています。
20㎡以上
一戸建てからワンルームマンションに移り住むと、狭く窮屈に感じます。
極端に狭いと、市場における需要も少なく、20㎡程度は最低でも欲しいところです。
コロナで自宅にいることが多くなり、より広い部屋を求める傾向にもあります。
築年数20年
築年数は20年前後を目安として、マンションを選ぶのが理想です。家賃が安定するのが20年前後という調査結果が出ており、高値つかみしなくて済むからです。
新築マンションは、広告費やセールスマンの人件費などがプレミア価格として、物件価格に含まれており、家賃も高くなっています。
日本人は何かと新築にこだわりますが、マンションの耐用年数は47年で、最近建築されたものは100年余りはもつという報告もされています。
自分が住むためでも、投資で他人に貸すためでも、新築の区分マンションの物件価格には、プレミア価格が含まれているので、新築は避けるべきです。
50戸以上
区分マンションは、所有者全員でマンションの修繕費用を負担します。
将来行われる大規模修繕に向けて、これまで積み立てた修繕積立金が適正かどうかを確認するのはもちろんですが、今の修繕積立金の金額が適正かどうかも確認します。
国土交通省の「マンションの修繕積立金に関するガイドライン」に修繕積立金の目安の計算方法が掲載されています。
例えば、床面積5,000㎡未満、15階建未満のマンションにおける20㎡の区分マンションは、4,360円(=20㎡×218 円/㎡・月)が平均値で、3,350~5,000円(=20㎡×165 円~250 円/㎡・月)が幅になっています。
2021年9月以降は計算方法が複雑になっています。ここでは2021年8月以前の簡単な方法により計算しています。
戸数が少なすぎると、所有者一人当たりの修繕積立金の負担金額が大きくなるので、50戸以上が目安になろうかと思います。
逆に、戸数が多すぎると、マンション管理組合が機能しなくなるので注意してください。
2階以上
1階は、窓から侵入されたり、マンションの入口からそのまま入れたり、盗難等の可能性が高いので、特に、女性からは避けられます。
また、日本は災害大国で、川の近くのマンションは洪水により浸水する可能性は高いです。
最近では、防犯設備の機能が高まり、火災保険で水災もカバーしておけば、むしろ、1階は身体が不自由な人にとっては需要があるといわれます。
しかし、1階=危険というイメージはいまだに残っているので、2階以上を選んだ方が無難です。
バストイレ別
賃貸物件に求める条件として、バストイレ別は常にランキングに入っています。
バストイレ別ですと、清潔感やプライベートな空間が保たれているということがあります。
シャワーだけでなく、お風呂に入りたい人にとっては、トイレが近くにあると気持ちよい感じはしません。
バスを利用すると、床などが濡れてしまうので、そのたびに床を拭かないと、床が濡れた状態でトイレを使うことになります。
トイレを利用するのに、近くにバスがあると、何となくですが、空間的にも落ち着きません。
一方で、バストイレ一緒の方がいいという人もいます。
築年数がたっている物件はバストイレ一緒のものが多く、賃料が安くなるからです。
しかし、バストイレ一緒の方がいいという人は少数派です。
女性や高所得者はバストイレ別が当たり前と感じているので、バストイレ別のワンルームを選ぶべきです。