開業税理士の年収が気になったので調べてみました。
統計調査による開業税理士の推定年収は約700万円
公認会計士・税理士の事業所の給与が公表されています。従業員10〜99人の企業規模では以下のとおりとなっています。所定内給与は残業を除いた給料です。
きまって支給 する現金給与額 | 所定内給与 | 年間賞与 | 労働者数 | |
①男女 | 409.8 | 392.1 | 982.0 | 6,930人 |
②男女(役職者を除く) | 364.2 | 340.0 | 780.4 | 4,370人 |
③差引(役職者) | 487.6 | 481.0 | 1326.1 | 2,560人 |
※③は、①と②の給与額等に労働者数をかけて、差額で計算
年収にすると、5899.6千円(=409.8千円×12月+982千円)であり、約600万円です。
事務員や科目合格者が含まれていることを考えると、役職者のみで計算した方が開業税理士の年収に近いと考えられます。
役職者の年収は7177.3千円(=487.6千円×12月+1326.1千円)であり、約700万円です。
ただし、注意点もあります。
- 育休や産休により出勤していない人も含まれている。
- 従業員10人未満の開業税理士やひとり税理士が含まれていない。
- 会計士が含まれている。
1を考えると、上記統計調査による給与は低くなっていると考えられます。
予備校が把握している開業税理士の年収は400万円〜1億円以上
資格の予備校によると、税理士の年収の目安は以下のとおりです。
年収 | |
大手税理士法人 | 600万円〜2,000万円以上 |
中小税理士法人 | 400万円〜1,500万円以上 |
個人事務所 | 400万円〜1億円以上 |
一般企業 | 500万円〜2,000万円 |
全体的に年収の幅が広くなっています。特に、個人事務所で幅が広く、年収1億円以上の開業税理士もいます。
ただ、ここでの個人事務所の年収は、事務所全体の年収であり、従業員数が多いと、その分年収も高くなっていると思われます。
結局、開業税理士の年収はいくらなのか?
10年くらい前に税理士にとったアンケート結果では、開業税理士の平均年収は約750万円になっていました。
上記統計調査から推計した開業税理士の年収は700万円であり、育休や産休の人も含まれ低くなっていることを考えると、約750万円は妥当な金額のように思われます。
ただ、税理士が減っており需要が多少高くなっていること、賃金が多少なりとも上がっていること、開業税理士には、主婦、現役を引退した人が含まれていることを考えると、実際の開業税理士の平均年収はもう少し高く、800万円程度になっていると一応の判断をしておきます。