不動産投資では、キャッシュ・フローの最大化により、お金を早めに多く回収して、貯めていく必要があります。
なぜお金が必要なのでしょうか。
不動産投資ではリスクを最低限に抑えて取り組むことが大切ですが、それでも何か有事が起こった際にお金があると対応できるからです。
なぜ不動産投資でキャッシュ・フローが大切なのか
不動産投資は、他の金融投資と違い、ローンを使ってレバレッジを効かせて、効率的に資産形成をすることができます。
不動産投資は投資である以上、お金を早めに多く回収することが求められます。
個人的に使うお金は、本業の収入の範囲内にして、不動産投資で回収したお金は、以下のような有事に備えて貯めておきます。
- 空室になった場合のローンの返済代金
- エアコン、ガス機器等の故障による取換費用
- 区分マンションは修繕積立金が差し引かれるが、1棟物件は大規模修繕のためのお金を自ら貯める必要がある
- 資産規模の拡大のための、次の物件の頭金
不動産投資でキャッシュ・フローを増やす3つのポイント
賃貸需要の高い立地・エリアか
不動産投資のキャッシュ・フローの原資は家賃収入です。
家賃収入から不動産投資ローンを返済し、経費を支払った後に、手元にお金が残ります。
不動産投資では、家賃収入が入ってこなくなることを最も避けなくてはいけません。
空室ないならないようにするには、立地・エリアの選択を誤らないことです。
気を付けないといけないのは、都心にこだわり、都心だから空室にならないという固定観念をもつことです。
人が多い=空室にならない、ということではありません。
賃貸物件の需給と供給のバランスが大切で、需要が上回る立地・エリアを選びます。
おすすめの方法は、物件の現地確認の際に、不動産賃貸サイトで周辺のアパート、マンションの賃貸状況を確認することです。
私が1棟アパートを購入した際に、不動産投資サイトで周辺の賃貸状況を確認しましたが、本当に!?と思うくらいそのエリアで賃貸に出されている部屋がないのです。
あとは、新規分譲で戸建てが建てられているエリアであることも判断の材料になります。
不動産投資ローンの返済比率は低いか
不動産投資で一番大きなお金の支出は、ローンの元金の返済と利息の支払いです。
返済期間を可能な限り長くして、利率を低くするのが鉄則です。利率よりも返済期間の方が金額への影響は大きいです。
特に、最初のうちは、返済比率(家賃収入に占める元金返済と支払利息の合計)を40%程度まで抑えたいところです。
単純に考えて、半分が空室になっても補填できますし、何より手元にお金を多く残すことができます。
不動産販売会社や仲介会社の提携ローンを利用した方が、利率や返済期間の条件は有利なことが多く、金融機関を探す手間がかからないので効率的です。
不動産賃貸業を専門に行っていくのであれば話が別ですが、基本的には、物件とローンは2つで1つだと思った方がよいです。
減価償却費を利用できているか
減価償却費はお金の支出を伴わない経費です。
不動産投資のキャッシュ・フローを考えると、積極的に計上すべき経費であるといえます。
家賃収入が100で、減価償却費が30だとすると、手元に残るお金は70ではなく、100になります。
交際費等の経費が30だと手元に残るお金は70になってしまいますが、減価償却費はいくら計上しても100になります。
減価償却費を計上すると、売却時の原価が低くなるので、売却時の利益に税金がかかることに留意しないといけません。
ただ、減価償却費の計上によってお金を早めに回収して、お金を貯めておくことで、売却時の税金にも対応することができます。
減価償却費を短い期間により多く計上して、お金を早めに回収することだけを考えると、耐用年数をもうすぐ経過する、あるいは、経過した1棟アパートを購入するのがよいと言えます。
最終的には不動産投資のキャッシュ・フローで純資産を増やす

会社と同様に、不動産投資では貸借対照表の純資産を増やしていく必要があります。
純資産が増えると、純資産に付随した資産も増え、不動産投資の安全性が高くなるからです。
物件を購入した当初は、建物、土地が資産に、ローンが負債に計上されるので、割安に物件を購入する、または、頭金を入れて、ローンを少なくすることで、純資産を多くすることができます(①の状態)。
ただ、頭金をたくさんいれると、手元にお金がなくなってしまうので、最初のうちは、できるだけお金を残して、現金である資産で純資産を多くしておいた方がよいです。
そして、徐々に家賃収入から手元に残るお金が増えていくので、ローンを繰上返済して、負債を少なくすることで、純資産を増やしていきます(②の状態)。
今後も物件を購入して、資産規模の拡大を図る方は、ローンを繰上返済せず、現金で純資産を増やしていき、次の物件の購入資金にします(③の状態)。