不動産投資を始めるには初期費用を現金で用意する必要があります。
不動産投資の初期費用は実際いくら?
実際の事例の方がわかりやすいと思うので、私が最初に購入したワンルームと1棟アパートの初期費用を概算であげてみます。
内容 | ワンルーム | 1棟アパート | |
1 | 登記費用 | 10万円 | 10万円 |
2 | 登録免許税 | 20万円 | 60万円 |
3 | 融資手数料 | 10万円 | 60万円 |
4 | 融資代行手数料 | – | 10万円 |
5 | 不動産取得税 | 15万円 | 50万円 |
6 | 仲介手数料 | – | 140万円 |
合計 | 55万円 | 330万円 |
1棟アパートが約4,000万円
※他にも売買契約書の印紙代等がかかりますが、
金額が小さいので省略
最も大きな違いは6の仲介手数料で、取引形態が売主か仲介かによる違いです。
売主なら初期費用として仲介手数料を払う必要がありませんが、売主であっても物件価格に利益が上乗せされています。(上乗せされている利益が大きいか小さいかの検討は必要。)
3の融資手数料は金融機関、物件によって異なります。
4の融資代行手数料は不動産会社に払うものですが、ワンルームを購入したときは紹介の特典で免除してもらいました。
2の登録免許税、5の不動産取得税、6の仲介手数料は、次章のとおり、計算で求められます。
仲介手数料を除いた初期費用の物件価格に占める割合は、ワンルームが2.2%、1棟アパートが4.7%です。参考にしてみてください。
不動産投資の初期費用の計算方法
2の登録免許税、5の不動産取得税、6の仲介手数料は、固定資産税評価額や売買価格によって異なってきます。
2 | 登録免許税 | (所有権)固定資産税評価額×2% (抵当権)債権金額×0.4% |
5 | 不動産取得税 | (土地)固定資産税評価額×1/2×3% (建物)固定資産税評価額×3% |
6 | 仲介手数料 | 売買価格×3%+6万円 |
ワンルームは土地が共有持分であるため、1棟アパートに比べて、固定資産税評価額は低くなります。
ワンルームと1棟アパートで、2の登録免許税、5の不動産取得税は3倍違いますが、物件価格は1.5倍強で、釣り合いがとれていません。
ワンルームの市場価値である物件価格が高くなり過ぎているのかもしれません。
不動産投資の初期費用で注意すべき点
フルローンでも初期費用は必要
初心者の方で、「フルローンであれば初期費用は必要ない」と思っている方が意外と多いです。
頭金は必要ありませんが、フルローンであっても、初期費用を現金で用意しなくてはいけません。
登記費用、登録免許税、融資手数料、不動産取得税等、初期費用は意外とかかります。
特に、不動産取得税は、自治体や物件によっては、物件を買ってから一年後など、忘れた頃に通知が届く場合があります。
発送されてその翌月末までに納付することを考えると、余裕をもって準備しておく必要があります。
頭金も用意する必要がある
最近ではフルローンで融資をする金融機関が少なくなりました。
不動産投資を始める前ですので、本業の給料等で初期費用だけでなく、頭金も用意する必要があります。
頭金の金額については、ワンルームは10万円からですが、1棟アパートは5~20%からになります。例えば、4,000万円の1棟アパートでは200万円~800万円が初期費用とは別に必要になってきます。
ワンルームは10万円ですと、家賃収入から手元に残るお金が残らないので、もう少し入れるか、繰上返済した方がいいです。
1棟アパートは土地値に近い築古物件を選ぶと、金融機関によってはフルローンで融資を受けられるので、選択肢の1つになります。
物件を買った後も現金は必要
初期費用を現金で用意したとしても、物件を買った後も現金が必要になるケースがあります。
- 空室補てん
- 大規模修繕
- 次の物件の頭金・初期費用と金融機関の融資審査で求められる金融資産
最初の物件の頭金をできるだけ抑えるとともに、引き続き、不動産投資の家賃収入、本業の給料等で現金を貯めていく必要があります。