不動産投資で懲戒処分を受けないために公務員は兼業規定を知っておく

不動産投資で懲戒処分を受けないために公務員は兼業規定を知っておく 不動産投資基本

公務員が兼業規定を知らないで、不動産投資をすると、懲戒処分を受けることもあるので、公務員は不動産投資をする前に、兼業規定である法令や人事院規則を知っておかなくてはいけません。

結論を申し上げると、国家公務員は5棟10室未満、かつ、家賃収入500万円未満で不動産投資をする場合には、職場に兼業届を出す必要はありません。

必要な法令、人事院規則をできる限り載せていますので、理解を深めていただければと思います。

国家公務員の不動産投資は、原則として兼業届出が必要

国家公務員は自ら営利企業を営むことができません。

営利企業を営むとは、簡単にいうと、職務以外で事業をすることです。

国家公務員法99条の信用を失う行為の禁止、100条の秘密を守る義務、101条の職務に専念する義務に違反する可能性があるので、禁止されています。

企業には個人も含まれ、不動産賃貸は営利に該当するので、国家公務員は不動産投資ができないことになります。

しかし、憲法29条は財産権を侵害してはならず、不動産の所有を財産権として保障しています。

不動産を所有して、不動産投資ができないことは、憲法に反することになります。

そこで、兼業届を出して承認を受けた上で、営利企業を営み、不動産投資をしてもよいということになっています。

法令である国家公務員法では、原則として兼業届出が必要で、下記3のとおり、規模や金額が小さい場合には、人事院規則で不要にしているということを覚えておきましょう。

職員は、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下営利企業という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね、又は自ら営利企業を営んではならない

 前項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない

国家公務員法103条(私企業からの隔離)

なお、人事院規則では、所轄庁に承認が委任されています。

国税庁では、税務署長等の指定官職は国税庁長官、それ以外は国税局長から承認を受ける必要があります。

国家公務員の不動産投資における兼業届出の承認

兼業届出の承認基準

承認を受ける必要がありますが、承認される基準とはどのようなものでしょうか。

職務と不動産賃貸との間に利害関係がなく、管理会社に不動産管理を委託して、仕事に支障がないようにすることです。

例えば、自分の職務が不動産の賃貸業に携わっていると、自らに便宜を図るなどの利害関係が発生する可能性があるので、承認が認められないかもしれません。

戸建ては自らで管理することが多いので気を付ける必要がありますが、区分や1棟は、通常、管理を委託するので大丈夫ということになります。

職員が営利企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員、顧問若しくは評議員の職を兼ね又は自ら営利企業を営むこと(以下「役員兼業等」という。)については、人事院又は次項の規定により委任を受けた者は、その職員の占めている官職と当該営利企業との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがなく、かつ、営利企業に従事しても職務の遂行に支障がないと認められる場合であって法の精神に反しないと認められる場合として人事院が定める場合のほかは、法第百三条第二項の規定により、これを承認することができない。

人事院規則14-8(営利企業の役員等との兼業)1

「人事院が定める場合」は、次に掲げる場合とする。
一 不動産又は駐車場の賃貸に係る自営を行う場合で、次に掲げる基準のいずれにも適合すると認められるとき。
 (1) 職員の官職と承認に係る不動産又は駐車場の賃貸との間に特別な利害関係又はその発生のおそれがないこと。
 (2) 入居者の募集、賃貸料の集金、不動産の維持管理等の不動産又は駐車場の賃貸に係る管理業務を事業者に委ねること等により職員の職務の遂行に支障が生じないことが明らかであること。
 (3) その他公務の公正性及び信頼性の確保に支障が生じないこと。

人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について 第1項関係5

兼業届出はいつ申請すべきか

申請書に以下の書類等を添付して申請します。

  • 登記簿謄本、図面
  • 賃貸契約書
  • 管理業務委託契約書

ただ、これらの書類が用意できるのは、物件の購入後になりますが、購入後に駄目でしたでは、懲戒処分を受けることになってしまいます。

不動産投資をすると決めて、不動産会社から物件を紹介してもらう前に、総務課、人事課等の申請担当部署に相談するのがよいでしょう。

不動産会社に申請する必要がある旨を話せる場合には、不動産会社から物件を紹介してもらった後の方が、書類が準備できるのでよいかもしれません。

登記簿、図面が用意できますし、理由を説明すれば現オーナーから現在の契約書をいただけるかもしれません。

いずれにせよ、大切なのは、早いうちから計画段階でも、担当部署に連絡しておくことです。

国家公務員の不動産投資で、兼業届出が不要な場合

一定の基準に該当すると、自営(自ら営利企業を営むこと)に当たります。

一定の基準は、青色申告の事業規模の条件である5棟10室以上、または、家賃収入500万円以上のいずれかに該当することです。

したがって、自営に当たらないように、5棟10室未満、かつ、家賃収入500万円未満で、不動産投資をする場合には、兼業届出が不要になります。

前項の場合における次の各号に掲げる事業の経営が当該各号に定める場合に該当するときは、当該事業の経営を自営に当たるものとして取り扱うものとする。
一 (省略)
二 不動産又は駐車場の賃貸 次のいずれかに該当する場合
 (1)不動産の賃貸が次のいずれかに該当する場合
  イ 独立家屋の賃貸については、独立家屋の数が5棟以上であること。
  ロ 独立家屋以外の建物の賃貸については、貸与することができる独立的に区画された一の部分の数が10室以上であること。
  ハ~ホ (省略)
 (2)(省略)
 (3)不動産又は駐車場の賃貸に係る賃貸料収入の額(これらを併せて行つている場合には、これらの賃貸に係る賃貸料収入の額の合計額)が年額500万円以上である場合
 (4)(省略)
三 (省略)

人事院規則14―8(営利企業の役員等との兼業)の運用について 第1項関係4

地方公務員も不動産投資の兼業規定は国家公務員と変わらない

地方公務員も、国家公務員と同様に、自ら営利企業を営むことができず、不動産投資をすることができません。

職員は、任命権者の許可を受けなければ、商業、工業又は金融業その他営利を目的とする私企業(以下この項及び次条第一項において「営利企業」という。)を営むことを目的とする会社その他の団体の役員その他人事委員会規則(人事委員会を置かない地方公共団体においては、地方公共団体の規則)で定める地位を兼ね、若しくは自ら営利企業を営み、又は報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない

地方公務員法38条(営利企業への従事等の制限)

ただし、地方公務員も、承認基準や兼業届出が不要な場合は、国家公務員と同じですので、不動産投資ができないわけではありまあせん。

人事院規則に記載されている基準と同じ基準をとっている自治体が多くなっています。

それぞれの自治体で規定が設けられていると思いますので、確認して、わからない場合には、総務課、人事課等の申請担当部署に聞いてみるといいでしょう。

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