不動産投資の物件選びは、立地・エリアと建物に分けて、考えていきます。
前編では1棟アパートの立地・エリアを決める際に確認すべき点について書いています。後編では建物を決める際に確認すべき4つのポイントを紹介しています。
1棟アパートの立地・エリアを考える上で大切なことは、賃貸需要があるかという点と、ファミリー層をターゲットにした場合に生活がその地域で完結するかどうかです。
三大都市圏
東京、大阪、名古屋を中心とした都市圏には、多くの人が住んでいます。日本の人口の半分以上が、この圏内にいます。
首都圏 | 約4,000万人 |
近畿圏 | 約2,000万人 |
中京圏 | 約1,000万人 |
都市圏といっても広いので、私は首都圏の中で、東京までの通勤通学時間1時間を範囲の目安にしています。
東京に近すぎると、1棟アパートのメリットである利回りの高さが抑えられてしまいます。
私は、ワンルームと1棟アパートを投資対象にしていますが、ワンルームは守り、1棟アパートはある程度攻めるという考え方です。
東京までの通勤通学時間1時間の範囲は、人の多さと利回りの高さのバランスがちょうどよいと考えています。
東京まで通勤通学が可能ですし、プライベートで遊びに行くこともできます。ただ、そうした人だけをターゲットにしているわけではありません。
東京の周りには神奈川、埼玉、千葉の3県があり、企業やロードサイドの大型店舗も多く、東京に行かなくても、労働・生活をこの県で完結させている人も多くいます。
近畿圏や中京圏も同じような考えですが、首都圏に比べると人が少ないので、範囲を狭くする必要があります。
他にも政令指定都市の周辺が考えられますが、100万人の人口を考えると、更に範囲を狭くする必要があります。
最寄駅の利用者数1万人
電車に乗車し、駅を利用している人の数は、実際の駅名をWikipediaで検索すると確認することができます。
先ほど、東京までの通勤通学時間1時間を目安にしていると書きましたが、更に、駅の利用者数で人の多さを確認します。
郊外の駅の利用者数が多いということは、その駅の周りには比較的人が多く住んでいるということになります。
コロナの影響で在宅勤務する人が増え、駅の利用者数は減りました。
それでも、私はいろいろな駅名を検索してみてきましたが、1日当たり1万人を目安とした最寄駅にある物件を選んだ方がいいという目安をもっています。
駅徒歩が許容範囲
郊外では駅からの距離は関係ないという考え方もありますが、私は駅からの距離にもこだわっています。
過疎化が進むのは、間違いなく、駅から離れたニュータウン等の地域です。限界ニュータウン等のキーワードで検索すると出てきます。
徒歩20~30分程度であれば、晴れた日には歩こうと思えます。
ロードサイド店舗が近い
賃貸の条件として、近くにスーパーがあるとその物件は他と差別化が図られます。
郊外ですと、ロードサイドにある大型店舗に代替されますが、スーパーだけではなく、ショッピングセンターもあります。
生活に必要な衣料品、食料品等を買うことかでき、衣食住の衣食をまかなうことができます。後は住だけあれば大丈夫ということになります。
首都圏ですと、千葉、埼玉、東京、神奈川と円を書くように走っている国道16号線、神奈川を走っている国道246号線沿いには、多くのロードサイド店舗が見られます。
先ほど書きましたが、東京から通勤通学時間1時間程度のエリアを国道16号線は東京を取り囲むように走っています。
ちなみに、ある金融機関には、国道16号線内の物件という融資基準もあります。
周辺の賃貸状況
最初に人が多いエリアがよいと書きましたが、そのエリアの中でも取捨選択する必要があります。
借りたいという需要が、貸したいという供給を上回るエリアを選ぶことです。
ライフルHOME’Sの「見える!賃貸経営」の空室率は、掲載された物件の部屋数のうち、募集している部屋数の割合を示しており、マクロでは参考になるかもしれません。
しかし、エリアが市区町村と広すぎます。戸建ても含まれています。東京の都心3区の空室率が高過ぎるのも気になります。
そこで、おすすめはインターネットの不動産賃貸サイトを使って、買おうしている物件の周辺にあるアパートの賃貸状況を確認することです。
不思議と賃貸に出ている部屋が全くないエリアが存在します。少なくとも私が買った1棟アパートはそうしたエリアでした。
そのエリアにある店舗型の不動産賃貸会社に直接訪問して、エリアの賃貸状況を聴いてもよいでしょう。