不動産投資では、投資対象である物件の購入が成功の可否を決めます。
物件の購入方法と収益性の判断が大切であり、特に、初心者は購入方法に重きを置いて、経験者の力を借り、合格点の物件で不動産投資の経験を積んでいくべきです。
3には、私の体験談に基づく最適な不動産投資物件の購入方法を書きましたので、これから物件を購入される方の少しでも参考になれば幸いです。
不動産投資物件の購入方法
不動産投資サイトの掲載物件に問い合わせ
楽待、健美家等の不動産投資サイトや、SUUMO、HOME’S、At home等の賃貸サイトには、多くの売却物件が掲載されています。
売却物件には、売主、仲介の取引態様をはじめとして、宅地建物取引業法で定められた情報が掲載されており、その情報によって絞り込むことができます。
条件を登録することで、その条件にあてはまる物件が掲載されると、メールで通知してくれる機能があります。
売却物件の売主や仲介業者である不動産会社にメール、電話で問い合わせをすることができます。
不動産会社に連絡して、掲載物件とは別の物件を紹介してもらい、購入したという話もよく聞きます。
気になる物件があれば、不動産会社に連絡して、物件概要図、レントロール等の資料をメールで取り寄せます。
物件概要図やレントロールは改ざんとまではいきませんが、適当に作成されていることもあるので注意してください。
不動産会社に連絡する前には、インターネットで不動産会社に悪い評判がないかどうかを確認した方がよいでしょう。
国土交通省のホームページの「国土交通省ネガティブ情報等検索システム」には、過去5年間に宅地建物取引業者が処分された情報が掲載されています。
不動産投資セミナーに参加
楽待、健美家等の不動産投資サイトでは、不動産会社などが開催しているセミナーを案内しています。
セミナーは、不動産投資全般から融資、管理、税金といった幅広いテーマを扱っていますが、物件購入に絞ります。
物件購入のセミナーでは、個別相談で物件の紹介が受けられる場合もあります。
不動産投資サイトの閲覧は一方向ですが、不動産投資セミナーに参加すると、質問をすることができます。
セミナーは週末だけでなく、平日にも開催されており、仕事終わりに参加することもできます。
無料、有料のセミナーがあり、お金を払っているセミナーの方がよい物件を紹介してくれると言われていますが、必ずしもそうとは限りません。
街の不動産屋に直接訪問
物件を購入するエリアが決まっている場合には、そのエリアの物件を扱っている不動産屋から物件を購入するのも選択肢の一つです。
全国に店舗をかまえた賃貸仲介をメインにしている不動産会社よりも、そのエリアで古くから不動産業をしている街の不動産屋の方が、地元に根付いているので、売却物件の情報やそのエリアの特性を熟知しています。
直接訪問するのは勇気がいることですが、不動産投資では時に積極的な行動力が求められます。
事前に物件要望書、プロフィールを作成した上で、訪問したときに物件要望書、プロフィールを渡して、それに沿ったかたちで説明します。
物件要望書には、物件の種類、構造、築年数、金額等の購入したい物件の大まかな内容を記載して、購入の意思を示します。
プロフィールには、経歴、年収、金融資産、家族構成等を記載して、金融機関から融資付けが可能で、物件を購入できる資力があることを示します。
不動産投資サイトに物件を掲載している不動産会社に比べると、街の不動産屋は、顔が見えますし、周囲からの評判もあるので、安心感はあります。
金融機関、管理会社からの物件紹介
金融機関や管理会社と取引を行い、担当者とコミュニケーションをとることで、物件を紹介してもらえることがあります。
不動産投資ローンは、不動産投資家が購入した物件が担保になります。
不動産投資家から物件を売りたいという話があると、金融機関は売却資金でローンを返済してもらうので、売却情報をいち早く得ることができます。
また、管理会社は、多くの物件を管理しており、不動産投資家から管理物件の売却を依頼されることがあります。
大手の管理会社は、物件の売買を業務として行っていたり、グループ会社に物件の売買を専門にしている会社もあったりするので、管理会社から売却物件を紹介してもらえることがあります。
金融機関や管理会社は、不動産投資家に近い位置にいますが、物件の売買を主に行っているわけではないので、他の不動産投資家に物件を紹介してくれることがあります。
経験者に不動産会社の紹介を依頼
不動産投資をしている経験者に、不動産会社を紹介してもらい、その不動産会社から物件を購入することができます。
経験者は、書籍やブログ記事を書いている著者をはじめとして、すでに不動産投資をしている人たちです。
机上で不動産投資の知識を習得することと、一戸、一棟と購入して、不動産投資の経験を積んで、知識を得ていくことは全く違います。
実際に不動産投資をして、取引の流れ、メリット・デメリット等を知ることで、不動産投資の知識はより強固なものになります。
物件を購入し、金融機関から融資を付けた著者に、相談料、紹介料を払って、経験者に相談し、不動産会社を紹介してもらいます。
不動産売買の取引金額は一つ一つが大きく、物件を購入する決断ができずに、不動産投資を断念してしまう人も多いです。
「不動産投資物件の購入方法」のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
不動産投資 サイト | ・多くの物件情報が得られる | ・よい物件の判断が難しい ・不動産会社が信頼できるか不明 ・割高な物件が多い |
不動産投資 セミナー | ・知識が得られる ・不動産会社の営業担当と知り合える | ・よいセミナーか不明 ・不動産会社が信頼できるか不明 |
街中の 不動産屋 | ・割安な物件がある | ・初心者は断られやすい ・よい物件の判断が難しい ・融資先を探す手間がかかる |
金融機関など からの紹介 | ・相続物件など割安な物件がある ・融資提案が受けられる | ・取引がないと紹介されない |
経験者への 紹介依頼 | ・信頼できる不動産会社との取引 ・割安でよい物件の購入 | ・経験者を探す必要がある ・紹介料などを払う |
初心者が、サイトに掲載された多くの物件から購入したい物件を探して、取り寄せた資料からよい物件か否かを判断することは難しいです。
サイトで問い合わせた不動産会社が信頼できるかもわかりません。
サイトに掲載されている物件は、利益が上乗せされた再販物件であることも多いので、売主に近い物上業者が扱うような物件を買う必要があります。
売主→物上業者→再販業者→買主
そういう意味では、街の不動産屋は、売主に一番近いところで売却物件の情報を得て、そのエリアで売りに出される物件を最初に知ることができるので、街の不動産屋からは物件を割安に購入することができる場合があります。
金融機関や管理会社からも、相続物件などで売主が資金を必要としており、売り急いでいる物件を割安に購入することができる可能性があります。
ただ、街の不動産屋が、不動産投資の初心者によい物件を紹介してくれるとは限りませんし、金融機関や管理会社とは、取引を行って、信頼されないと物件は紹介してくれません。
金融機関から融資提案を一緒に受けることもありますが、基本的には自分で金融機関を探す必要がある上、必ずしも物件に融資が付くわけではないので、初心者にとって非効率な購入方法です。
不動産投資セミナーに参加すると、不動産投資の知識が得られことはもちろんですが、不動産会社の営業担当者と知り合いになることができます。
ただ、多くの不動産会社がセミナーを開催しているので、その中からよいセミナーに参加して、信頼できる営業担当者に出会えるとは限りません。
最近は、セミナーで物件の購入を強引に勧誘されることはほとんどありませんが、不動産会社も利益のために物件を売っているので、割高に物件を売ってくる場合もあるということは頭にいれておく必要があります。
セミナーに参加して時間が無駄になってしまうことも考えると、書籍などからも不動産投資の知識を習得することができるので、セミナーに参加する必要はないと言えます。
堅実な公務員に最適な「不動産投資物件の購入方法」
私の体験談になります。
ワンルーム、1棟アパートを初めて購入したとき、不動産投資の書籍を多く読み、内容が具体的で、信頼できそうと感じた著者にそれぞれ連絡をとりました。
いずれの著者も相談を受け付けていたので、直接会って、相談料を払い、不動産投資でわからないことをいろいろと聞きました。
直接会って話し、いずれの著者も信頼できると確信したので、著者が懇意にしている不動産会社を紹介してもらいました。
ワンルームを購入したときは、著者に紹介料を払い、不動産会社との立会いに同行してもらって、第3者的な立場からアドバイスをもらったり、わからないことを相談したりしました。
不動産会社からは2,3件の紹介で、通常の価格より割安にワンルーム、1棟アパートを購入することができました。
今も家賃収入をもたらしてくれる収益物件として稼働しています。
私の周りもそうですが、安定性を求めて公務員になっている人は多く、公務員は堅実な方が多い印象を受けます。
不動産売買は一つ一つの取引金額が大きく、万が一失敗したときには、取り返しのつかないことになるので、「石橋を叩いて渡る」くらいの気持ちで、堅実に不動産投資に臨んだ方がよいです。
公務員などで堅実な不動産投資をしたい初心者は、信頼できる経験者に不動産会社を紹介してもらって、その不動産会社から物件を購入することをおすすめします。
具体的には、書籍やブログ記事をできる限り多く読んで、投資手法が共感でき、信頼できそうな著者を探します。
そして、著者に実際に会って話を聞いて、信頼できると判断した場合には、著者に不動産会社の紹介を依頼します。
著者は多くの不動産会社と付き合いがあるので、取引の有無よりも、懇意にしているかどうかを重視します。
信頼できる不動産会社が決まれば、不動産投資で失敗しないという大きなフィルターがかかるので、後は、自分が習得した知識で、紹介された物件を買うか、別の物件を紹介してもらうかを判断します。
相談料や紹介料は、不動産投資で失敗することに比べたら安いもので、著者の不動産投資の経験を共有する対価として払う価値があります。
金融機関から融資が受けられる物件が前提ですし、一つの不動産会社に物件を紹介してもらうので、効率的な購入方法でもあります。