不動産投資では、収益物件という言葉をよく耳にしますが、収益物件とは何か、ということをあまり意識せずに使っている気がします。
収益物件の意味を知った上で、収益物件を買う必要があります。
収益物件が稼動することで、家賃収入や売却により、不動産投資家にお金がもたらされます。
「不動産投資の収益物件」とは何か
収益物件とは、文字通り、収益の出る物件で、不動産投資家により多くのお金をもたらしてくれる物件のことを言います。
家賃収入をもたらしてくれることだけをイメージしがちですが、最終的には売却などの出口戦略を含めて考えていきます。
以下の算式をプラスにする必要があります。物件に投資したお金よりも、多くのお金を回収することができて、その物件がはじめて収益物件になります。
インカム・ゲイン(家賃収入)+キャピタル・ゲイン(売却価格-購入価格)
多くのお金を回収するためのポイントは以下の3つです。
- 家賃収入よりも、ローンを差し引いた手元に残るお金を増やす。
- 割安に物件を買い、購入価格を抑えて、売却利益を増やす。
- 時価が上がりそうな物件を買うことによって、売却価格を上げて、売却利益を増やす。
1の観点からのインカム・ゲイン(家賃収入)、2の観点からのキャピタル・ゲイン(売却利益)を重視します。
3は未来の話で、経済情勢、金利などの不確定要素が影響してくることがあるので、それほど気にしなくていいでしょう。
収益物件の要素①インカム・ゲイン(家賃収入)
不動産投資で利回りと一口で言っても、いろいろな算式があります。
- 表面利回り=家賃収入/購入価格×100
- 実質利回り=(家賃収入-経費)/購入価格×100
- 実質利回り=(家賃収入-経費-ローン返済)/購入価格)×100
いずれの利回りであっても、家賃収入が得られなければ0%、マイナスになってしまいます。
空室にならず、満室稼動を目指すには、需要と供給のバランスが重要です。賃貸したい人の需要が、物件の供給を上回れば、家賃収入は途絶えません。
あらゆる情報を使って、需要が高い、あるいは供給が低いエリアを見極めることです。
1の表面利回りは、物件概要書などに記載されており、不動産投資サイトで目にするのがこの利回りです。
他の物件との比較に使ったり、エリアの相場観を把握したりするのに使います。
築浅物件よりも築古物件の方が、購入価格が安くなるので、表面利回りは高くなります。
表面利回りは高い方がいいですが、他の物件に比較して高いと、再建築不可などの訳あり物件であることが多いので、注意が必要です。
同じような物件では表面利回りは均衡し、相場が作られます。相場よりも、やや高いくらいの表面利回りが目安になります。
実質利回りには、家賃収入から経費のみを差し引いた2の利回りと、更にローンを返済した後の3の利回りがあります。
不動産賃貸の経費の項目は決まっており、経費率は15~20%とよく言われています。2の利回りはそれほど気にしなくてかまいません。
3の実質利回りは、手元にお金が残る割合を示しており、利回りの中で最も重視すべき指標です。
ローンの返済期間をできるだけ長くするなどして、最低でも3%を目標にしたいところです。
手元にお金が残ると、空室にも対応できますし、修繕費用を積み立てていくことができます。
収益物件の要素②キャピタル・ゲイン(売却利益)
売却利益がでるかどうかは、売却するまでわからないので、売却利益が出ることを見据えて物件を選ぶことは、非常に難しいです。
ただ、売却利益は売却価格から購入価格を差し引いたものです。まずは、購入価格をできるだけ抑えて、割安に購入することはできます。
土地の実勢価格は、路線価÷0.8、あるいは固定資産税評価額÷0.7で、建物の再建築価格(時価)は、固定資産税評価額÷0.6~0.7で計算することができるので参考とします。
これらの計算根拠を使って、売主との価格交渉に臨むのは合理的な方法だと言えます。
築古物件は、物件価格が土地値に近いので、わずかでも家賃収入が得られれば、お金を回収することができます。
そして、時価が上がりそうな物件を買うには、数年分の路線価を並べて上昇傾向にあるかどうかを調べることができます。
全国的に下がっているのに、自分の買おうとしている物件の路線価が上がっている場合には、時価が上がっていると判断できます。
また、自分の買おうとしている物件のエリアの人口が増加しているかどうかも、時価が上昇する要因になります。
経済情勢や金利も絡んできて、予測することは難しいので、数年後に売却する場合には、それほど気にしなくてもいいでしょう。