不動産投資ローンの繰上返済は期間短縮型、返済額軽減型どっち?

不動産投資ローンの繰上返済は期間短縮型、返済額軽減型どっち? 不動産融資

繰上返済をするときに、期間短縮型と返済額軽減型のどちらかを選ぶ必要があります。

期間短縮型の繰上返済

期間短縮型とは、毎月の返済額を変えずに、返済期間を短くする繰上返済です。

繰上返済のお金を、返済期間の後の方から、さかのぼって返済に当てていくイメージです。

返済期間が短くなるので、短くなった期間の分だけ利息を払う必要がなくなります。

その結果、返済総額が少なくなります。

返済額軽減型の繰上返済

返済額軽減型とは、返済期間を変えずに、毎月の返済額を減らす繰上返済のです。

繰上返済のお金を、毎月の返済に均等に当てていくイメージです。

毎月の返済額が減り、家賃収入から手元に残るお金が増えます。

返済総額は当初よりも減りますが、期間短縮型に比べると、返済総額の減少幅は減ります。

期間短縮型と返済額軽減型で、長期的な効果は変わらない

長期的な視点で考えると、期間短縮型も返済軽減型も、その効果は変わりません。

例をあげて考えてみます。

融資額1,000万円、返済期間10年、金利2%の不動産投資ローンがあるとします。

元利均等返済で返済すると、毎月の返済額は9.2万円、総返済額は1,104万円(利息104万円)になります。

200万円をすぐに繰上返済したとします。

期間短縮型では、返済期間が7年11か月になり、当初より2年1か月短くなります。利息は65万円となり、当初の利息より39万円少なくなります。

200万円を毎月2%の複利で7年11か月、運用する場合の利息は34万円で、利息の減少分に相当します。

返済額軽減型では、毎月の返済額が7.3万円になり、1.9万円減ります。利息は83万円になり、当初の利息より21万円少なくなります。

200万円を毎月2%の複利で10年間、運用するとともに、10年間にわたって取り崩す場合の毎月の受取額は1.8万円で、毎月の返済額の減少分に相当します。

200万円を運用して、最後に一括返済するか、200万円を運用しながら、取り崩して返済していくか、の違いで、長期的な視点で考えると、その効果は変わりません。

期間短縮型を選択すべき人

期間短縮型は、返済額軽減型よりも返済総額を減らすことができます。

これから資金を返していきたい局面では、余分な利息を払わずに済むので、期間短縮型を選んだ方がよいことになります。

先ほどの例ですと、200万円の繰上返済により、当初の返済総額1,104万円は、期間短縮型が865万円、返済軽減型が884万円になります。20万円の差があります。

返済期間を2年1か月、短くすることもできます。

返済額軽減型を選択すべき人

返済額軽減型は、手元に残るお金が毎月増えていきます。

これから資金を貯めていきたい局面では、返済額軽減型を選んだ方がよいことになります。

ただ、繰上返済をする人は、手元に資金がある人ですので、この考え方に矛盾している気がしますが、資金の状況今とこれからで異なります。

先ほどの例ですと、今は手元にある200万円で繰上返済をして、2,3年後に40万円,60万円(1,8万円×24月,36月)を必要とするようなケースです。

少しでも繰上返済することによって利息を減らすことができます。

繰上返済を行う都度、期間短縮型と返済軽減型のどちらにするか、ご自身の収入や資産の状況を含めて考えて、選択するとよいでしょう。 

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