青色申告のメリットはいろいろな節税が受けられることです。もちろん公務員の不動産投資でも青色申告をすることができます。
初年度から青色申告をするには、中古物件を買った日から2か月以内に、申請書を忘れずに提出しなくてはいけません。
公務員が、10万円控除の上である55万,65万円控除の適用を受けるには、兼業の許可が必要です。
不動産投資における青色申告のメリット
青色申告特別控除
青色申告特別控除の金額は、10万円、55万円、65万円の3つです。
不動産投資が事業的規模に該当すると、55万円控除の適用を受けることができます。
事業的規模は基本的には形式で判断します。5棟10室以上である場合に該当し、5棟以上または10室以上いずれかを満たせばよいことになっています。
e-Taxで確定申告をすることによって、10万円が上乗せされ、65万円控除の適用を受けることができます。
青色申告特別控除は、毎年受けることができ、納める税金を減らし、お金の流出を防ぐことができるので、節税の中でも最初に考えるべき節税です。
赤字繰越
赤字である場合には、3年間繰り越して、黒字と相殺することができます。
不動産賃貸業は、以下の場合を除き、黒字が出やすいと言えます。
- 物件購入時に初期費用がかかる。
- 耐用年数を経過している、あるいは耐用年数が短い物件で減価償却費が大きい。
- 大規模修繕を行う。
- 空室が多く家賃収入が少ない。
サラリーマン大家は、赤字が発生した年に給与所得と相殺することができるので、気にする必要はありませんが、不動産投資のみを行っている個人は赤字繰越の恩恵も受けたいところです。
赤字繰越は、先ほどと同じく、納める税金を減らし、お金の流出を防ぐことができる節税ですので、節税の中でも最初に考えるべき節税です。
30万円未満少額資産の一括費用処理
30万円未満の減価償却資産を年間300万円まで一括で費用処理することができます。事業を始めた年が12月に満たないときは、その月相当に換算します(300万円×●月/12月)。
青色申告でなくても、10万円未満の減価償却資産は一括で費用処理、10~20万円は3年間にわたって均等で費用処理することができます。
青色申告であれば、10~30万円の減価償却資産も一括で費用処理することができます。
10万円~30万円の減価償却資産として代表的なものはパソコンです。
減価償却費を前倒しで計上する節税ですので、いずれ修正されますが、その年の所得金額を把握して、年末に調整して使うと効果的です。
不動産投資における青色申告の要件
青色申告承認申請書の提出
3月15日までに青色承認申請書を提出することで、その年から適用を受けることができます。令和4年3月15日までに提出すると、令和4年分の確定申告から適用されます。
事業を開始した年は、開始した日から2か月以内が期限です。中古物件はオーナーチェンジ物件が通常ですので、買った日に賃貸が始まっており、その日から2か月以内ということになります。
申請書の記載内容は定型であり、インターネット情報を参考にすれば記載できますが、申請期限は1日でも遅れると許可されませんので注意してください。
複式簿記による帳簿作成
青色申告特別控除10万円の適用を受けるには、以下の簡易帳簿を作成する必要があります。
- 現金出納帳
- 収入帳
- 経費帳
- 固定資産台帳
このご時世、現金で受け取ったり、支払ったりする機会はほとんどありませんので、1の現金出納帳はあまり使いません。個人で払ったときに事業主借勘定で立て替える仕訳をきることが多いです。
簡易帳簿の記載の仕方は、国税庁から出されている「帳簿の記帳のしかた(不動産所得者用)」の手引きが参考になります。
55万円控除の適用を受けるには、複式簿記による仕訳帳、総勘定元帳の作成が必要になってきます。
不動産投資で資産規模を拡大して、事業的規模になることが最初から分かっていれば、仕訳帳、総勘定元帳を作成すると、簡易帳簿から複式簿記へ変更する手間がかかりません。
Excelマクロを使うと、総勘定元帳を簡単に作成することができます。
公務員は不動産投資で青色申告ができるか?
公務員でも、もちろん青色申告をすることができ、10万円控除の適用を受けることができます。
55万円、65万円控除の適用を受けるには、事業的規模で5棟10室以上であることが要件となっています。
5棟10室以上という事業的規模は、公務員が許可を受ける形式的な基準にもなっており、職場で兼業の許可が必要になってきます。