不動産投資で土地建物を合理的に按分して節税する方法

不動産投資で土地建物を合理的に按分して節税する方法 不動産投資節税

不動産投資で物件を売買する際には、土地建物を区分して計算する必要があり、消費税や減価償却の観点で節税することができます。

土地建物の按分による節税

売主は建物価格を抑えて、消費税を減らしたい

売主が消費税の課税事業者である場合には、建物を譲渡すると、消費税を納める必要があります。

土地は消費されませんので、土地の譲渡には消費税がかかりません。

消費税は売上等の預かった消費税から支払った消費税を控除して、消費税を納めます。買主が消費税の課税事業者である場合には、売主と異なり全ての建物ではなく、物件の用途よって、物件の購入に係る消費税を控除することができます。

  1. 住居として貸すための物件購入
  2. オフィス・事業所として貸すための物件購入
  3. 1と2の混合

不動産投資は1であることがほとんどです。社会政策的な配慮から住居としての家賃収入には消費税がかからないので、それに対応する建物の購入についても消費税を控除することができません。

売主は建物の価格をできるだけ抑えて、納める消費税を減らしたいと考えます。一方で、買主は、次章の通り、建物の価格を上げて、減価償却費を多く計上したいと考えます。

買主は建物価格を上げて、減価償却費を多く計上したい

買主は、転売目的ではなく、賃貸目的で所有する場合には、時間の経過とともに減価償却を行っていきます。

建物の価格が大きいほど、減価償却費を毎年多く計上することができます。

更に、建物の価格を建物と建物附属設備の割合で合理的に按分することができる場合には、建物附属設備による減価償却費を計上することができます。

建物附属設備は建物に比べて、減価償却の耐用年数(費用計上の期間)が短くなるので、節税効果が高まります。

買主は建物価格を上げる(土地価格を下げる)と、譲渡利益が発生

前章のとおり、買主は建物の価格を上げて減価償却費を多く計上したいところです。

しかし、将来売却することを考えると、減価償却費の計上により建物の売却原価が減りますし、建物の価格を上げすぎると、土地の価格が下がります。

売却時に土地の価格が上がると、減価償却後の建物の原価と土地の低い原価によって、多額の譲渡益が発生し、税金を納める必要があります。

それまでに家賃収入から手元に残ったお金を蓄積し、更に買換等で次の物件の初期費用で税金の還付が受けられ場合には、その還付金を充当します。

土地建物の合理的な按分方法

土地建物を一括で譲渡した場合の建物の代金については、国税庁のタックスアンサーで紹介されています。

Q 建物と土地を一括譲渡した場合で、建物代金が区分されていないときは、建物代金はどのように計算したらよいでしょうか?

A 土地とその土地の上に存する建物を一括して譲渡した場合には、土地の譲渡は非課税ですので、建物部分についてのみ課税されます。
この場合、譲渡代金を以下の方法などにより土地と建物部分に合理的に区分する必要があります。

(1) 譲渡時における土地および建物のそれぞれの時価の比率による按分

(2) 相続税評価額や固定資産税評価額を基にした按分

(3) 土地、建物の原価(取得費、造成費、一般管理費・販売費、支払利子等を含みます。)を基にした按分

なお、それぞれの対価につき、所得税または法人税の土地の譲渡等に係る課税の特例の計算における取扱いにより区分しているときはその区分した金額によることになります。

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.6301 課税標準「建物と土地を一括譲渡した場合の建物代金」

タックスアンサーの(1)の時価を把握することは難しく、実務として現実的ではありません。

契約書に記載されている金額

契約書に消費税の金額が記載されている場合には、消費税率で割り返すことによって建物の価格を把握することができます。

一度契約した以上は契約書に基づき建物の価格を計上すべきです。契約書に記載された内容と契約当事者間で食い違いが発生するのは問題です。

契約する前に、売主や仲介業者には建物の価格をどういった基準で計算したかを確認します。

売主も消費税逃れのために極端に建物の価格を低くすることはできません。

固定資産税評価額に基づいて計算していることが多いです。

固定資産税評価額、相続税評価額による按分

タックスアンサーの(2)の固定資産税評価額による按分です。

固定資産税の課税明細書の建物と土地の評価額により按分します。

毎年、固定資産税の納税通知書に添付されているので、確認することができます。購入にあたっては売主や仲介業者に通知書や課税証明書を依頼しておきます。

相続税評価額よりも固定資産税評価額の方が土地の価格が低いので、建物の価格を上げることができます。

土地建物
固定資産税
評価額
実勢価格×0.7固定資産税
評価額
相続税
評価額
路線価
(実勢価格×0.8)
固定資産税
評価額

取得原価による按分

タックスアンサーの(3)の原価による按分です。

工事内訳書から取得時の価格がわかっている場合には、その価格で按分することもできます。

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